「高校生ロボットSIリーグ」で愛知初出展

活動ブログ
「高校生ロボットSIリーグ」で愛知初出展

2022年12月10日、11日に愛知県国際展示場で行われた、「第1回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(略称:SIリーグ) 」の企業・団体ブースコーナーへ出展しました。産業用ロボットオペレーター育成教育プログラムを中心とする「ロボメイツ」事業を紹介し、小学生向けロボット教材の操作体験イベントも行い、大盛況でした。

初開催の「高校生ロボットシステムインテグレーション競技会」へ出展

高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(SIリーグ)とは

愛知県では、2022年度よりロボットシステムインテグレータ(SIer)の人材創出を目指す「高校生ロボットSI(エスアイ)リーグ」という活動を実施しています。
県内外から参加した工科高校、工業高校10校の生徒たちは、同年4月から授業や部活動を通して、ロボットSIer企業やメーカーのサポートを受けながらロボットシステムを構築する課題へ取り組みました。約8か月をかけて産業用ロボットを使った組み立てや箱詰めといったテーマに挑み、12月10日、11日に開かれた「第1回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(SIリーグ) 」を集大成として成果を競ったのです。

1日目の12月10日に「成果披露イベント」として各校のロボットシステムの実演・プレゼンテーションを実施し、栃木県立足利工業高等学校が最優秀賞を獲得。翌11日は一部の参加校によるデモンストレーションを行いました。
初日には競技会の主催者である愛知県の大村秀章知事が会場へ視察に訪れ、競技会のプレゼンターとして登壇し高校生たちの努力を称えました。

参考
「ネットあいち」
第1回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会の開催について


SI.LEAGUE

出展理由は「ロボットSIer」の育成

ものづくりの現場では、もともとの人手不足に加え、新型コロナウイルス感染拡大により働く人が出勤できないという事態が起こりました。そこで産業用ロボットの活躍する場面がますます増えているのですが、ロボットを操作するオペレーター、ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)がともに不足しています。
ロボットSIerは、「課題を把握し、解決するよう現場に合わせたロボットや機械設備を選んで生産ラインを設計、製造して組み立て、動きをプログラミングする」というロボットシステムを構築する役割を担います。ロボットを導入する際に必要不可欠な人材であり、育成は喫緊の課題とされています。

弊社ではそういった背景から、職業面にも焦点を当てた教育事業として産業用ロボットオペレーター育成プロジェクト「ロボメイツ」を立ち上げました。体験イベントの企画・運営および教材開発をスタートし、FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)に加盟。今回は、ロボット関連の人材育成を目指す「高校生ロボットSIリーグ」の趣旨に共鳴し、競技会のサブイベントとして行われる企業ブースへ出展しました。

FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)

ロボット操作体験が予想を超える人気に

多数の親子連れが来場

会場では、メインとなる高校生の競技会のほか、サブイベントとして弊社を含めロボット関連の企業や団体がブースを出展するコーナーや、ロボットカーやドローンを動かすプログラミングなど各種体験のできるワークショップ、SKE48のメンバーが参加するステージイベント、愛知県内の大学が製作に取り組むロボットを紹介する「大学連携コンテンツ」など、子どもから大人まで楽しめるさまざまなプログラムが組まれました。

1日目、土曜日の朝9時半に開場すると、ロボット関連のワークショップの整理券を求める親子連れが続々と訪れ、あっという間に行列ができました。2日目の日曜日は開場1時間ほど前から来場者が並ぶなど関心の高さがうかがえました。
子どもたちはワークショップに参加したり、高校生のロボット操作デモンストレーションを食い入るように見つめたり。各ブースではロボット操作体験を楽しんでいました。

展示内容

ブースでは、産業用ロボットオペレーター育成のための教育プロジェクト「ロボメイツ」をPRするため、学校や企業と連携しながら授業やイベントなどで活動する様子を伝えるパネル展示のほか、ロボット教材を使ったデモンストレーション、学びをサポートするWebマガジン「ロボメイツMAGAZINE」の紹介などを行いました。

ロボメイツ

オリジナルのアームロボット教材

ロボメイツ事業では、日本の産業界を担う技術者の育成を目的とする「産業技術短期大学」(兵庫県尼崎市西昆陽1、1962年開学)と連携し、機械工学科教授の二井見博文博士に多大なるご協力をいただいており、「アームロボットと搬送用ロボットなど複数を組み合わせ、机の上にミニマル工場をつくること」を目標に、小学生向けのオリジナルロボット教材を共同開発しています。
今回はその中から、モーターあり、なしの2タイプのアームロボットと、アームロボットの先端でつかむ部分を模した「パクパクハンド」を展示し、操作体験イベントを実施しました。

関連記事:産業技術短期大学と連携、ロボット教材開発やイベントを実施

産業技術短期大学

モーター付きのアームロボット教材
モーターなしのアームロボット教材(左奥)とパクパクハンド(手前)。右は「ロボメイツMAGAZINE」サイト画面

アームロボット操作に夢中になる子どもたち

出展前は、ロボット関連企業や、高校などの教育関係の方々の来場を想定していましたが、開場するとブースを次々に訪れたのは小学生を中心とした子どもと保護者、孫とおじいちゃん、おばあちゃん。朝から夕方5時の閉場まで行列が絶えることなく続き、たくさんの方にロボット教材の操作体験をしてもらうことができました。
ロボットは耐久試験のように休むことなく稼動し、消耗したパーツが嬉しい悲鳴を上げて壊れること数回。その都度、ロボット開発担当の大学生が修理をがんばってくれました。使い方や強度など、ロボット教材開発の上でも貴重な経験になりました。

モーター付きのアームロボット体験は、本体と同じロボット型の小さなコントローラーを操作してアームを前後左右に移動させ、ブロックをはさんで持ち上げ、別のブロックの上に積み上げられたら「ゲームクリア」という設定です。コツをつかんでどんどん運び、6個も積み上げる上手な子もいました。

ロボット好きの心をつかんだ手動タイプ

モーターなしの手動アームロボットも用意しました。
前後と上下、それぞれのレバーを手でで動かし、ひもを引いたらゴムの力でロボットの口が開閉するアナログな仕組みですが、器用な子はレバーを手で押さえながらひもを引き、これでブロックをつかんで積み上げていくのです。「(モーター付きより)こっちの方が好き!」「家で作ってみたい」と写真を何枚も撮っていった子もいました。

一方、シンプルなつくりで意外な人気を博したのが「パクパクハンド」です。
小学校の授業で6年生に配布し、自分でキットを組み立て、ネジを締めて本体を作る教材です。本体にペンを差し込み、片手でペンを握り、もう片方の手でひもを引き口を開閉させて使います。
今回は体験用に予め組み立てておいたものを展示したところ、てこの原理で力もいらず操作も簡単なので、就学前の小さなお子さんもパクパクさせてブロックをつかみ、楽しそうに遊んでいました。
自分で組み立ててみたいとトライする子や、開閉のコツをつかんで16個も積み上げた中学生くらいの子もいました。ロボット好きの心をくすぐったようです。

子どもや保護者の反応を得られる貴重な機会

プログラミングだけではないロボット操作の魅力

ロボット操作には、どれくらい動かすと本体がどう動くか把握するための「観察力」「理解力」、どれをつかむか先を読み、戦略を立てて手を動かす「思考・計画力」「実行力」が必要です。
私たちの行う授業やイベントではプログラミングを教える機会もありますが、今回のイベントでは、手でコントローラーやレバーを操作して動かすタイプのロボット教材を展示。操作に夢中になるお子さんたちの姿を見ていると、直感的に操作できるためか、一見単純なようでいて子どもにとっては面白く魅力あるものなのだと再認識しました。

保護者の方々からのエール

今回は親子連れにたくさんご来場いただいたおかげで、保護者の方々と交流する機会ができました。

「プログラミング教育について最近よく聞くけれど、ロボメイツはプログラミングで何をするか『その先』を見ていて、(ロボットオペレーターやSIerなど)職業やものづくりに結びついているところが面白い」、「すごく良い取り組みですね!」とこちらが驚くほど熱く応援してくださる方、パクパクハンドを見て「何これ、面白い!こんなのがあったら休みの日や休校中(学級閉鎖中)、子どもが家でずっと遊べる!」と言ってくださる方もいました。

たくさんのご意見をいただき感謝するとともに、大変勇気づけられました。皆さまからのお声をロボメイツの改善、今後展開予定のスクール事業「ロボキャン」に活かしてまいります。

東海地方へのアピール

開催地の愛知県をはじめ、東海地方のロボットメーカーやSIerなどの関連企業、愛知県のSIリーグ担当者、高校、大学など教育関係者の方々との交流を図ることもできました。今度も、このような機会があれば出展していきたいと思います。

まとめ

2022年12月10日、11日に愛知県国際展示場で行われた、「第1回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(略称:SIリーグ) 」の企業・団体ブースコーナーへ出展しました。産業用ロボットオペレーター育成教育プログラムを中心とする「ロボメイツ」事業を紹介し、小学生向けロボット教材の操作体験イベントも行い盛況でした。コントローラーや自分の手でロボットを動かす体験は、プログラミングとはまた違った面白さがあったようです。保護者の方からの意見も聞けて、ロボット教育事業を進める上で貴重な機会になりました。

Contact

エアグラウンドの事業に関するお問い合わせは、
お電話、または、メールフォームにて受け付けています。