産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」を通して、地元・尼崎にある工学系短大「産業技術短期大学」の二井見博文教授と出会いました。そこで、ロボット教材開発やイベント開催などロボット教育にご協力いただけることになり、産業技術短期大学様と株式会社エアグラウンドの「産学連携」が実現しました。
地元・尼崎にある「産業技術短期大学」と連携
産業技術短期大学とつながるきっかけは、一人の高校生
2021年度、私たちは尼崎市立尼崎双星高等学校でロボット操作やプログラミング、小学校向けの授業開発、動画制作などの授業を実施しました。平行して、ロボット開発などに取り組む「情報技術部」とも活動。そこで出会った高校生の一人・上村さんは、エアグラウンドを通して中野製作所様のエンジニアさんにロボットの加工について相談するなど非常に熱心な生徒さんで、2022年春に高校と同じ尼崎市内にある「産業技術短期大学」へと進学しました。
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産業技術短期大学とは
産業技術短期大学(College Of Industrial Technology=CIT、産技短)は、全国でここだけという「工学系」短期大学で、「産業界を担う技術者を育てる」という目的のもと、1962年に開設されました。卒業後は企業へ就職するほか、四年制大学へ編入学をする学生も。知識と技術をバランスよく学べるカリキュラムをはじめ、工房「ものづくり工作センター」の設置、社会人学生が多数在籍しており現役エンジニアと共に学べる環境など、さまざまな特色があります。
産業技術短期大学
二井見教授との出会い
産業技術短期大学(以下、産技短大)には、機械工学科、電気電子工学科、情報処理工学科など4つの学科があります。
機械工学科教授の二井見博文(にいみ ひろふみ)博士が、私たちの進める産業用ロボットオペレーター育成プロジェクト「ロボメイツ」の趣旨に賛同し、ご協力くださることになりました。
二井見博文(にいみ ひろふみ)博士
1998年大阪府立大学大学院工学研究科電気・情報系専攻博士後期課程(電子物理工学分野)修了。博士(工学)。同年、産業技術短期大学機械工学科助手として着任。2012年産業技術短期大学機械工学科教授。現在、ロボットの設計、教育用ロボットの研究に従事。
産学連携体制が本格スタート
二井見教授と「ロボメイツ」で教材開発やイベントなどさまざまな活動を始めたところ、大学としてもご協力くださることになりました。こうして産業技術短期大学様と株式会社エアグラウンドによる産学連携体制が、2022年8月から本格的にスタートしました。
産業用ロボットオペレーター育成プロジェクト「ロボメイツ」
連携①ロボット教材開発
目標は「机の上にミニマル工場を」
二井見教授と共同で開発しているロボット教材は「ミニマル工場」といいます。ミニマルとは「最小限の」という意味で、ミニマル工場は小型のアームロボットや搬送用ロボット、ベルトコンベヤーを組み立てて動かし、机の上に「小さな工場環境」を再現するコンセプトの教材です。
ロボメイツではこの教材開発によって、1人1台で動作プログラムを行い、グループで協力して一連の協調作業を行うことができる環境の構築を目指しています。
ミニマル工場を取り入れた授業を市内小学校向けに展開することを目標に、現時点(2022年)ではまずアームロボットの開発を中心に進めています。
アームロボットは改良改良、また改良
アームロボット教材は初号機から改良を重ねています。子どもが組み立てられるくらいの難易度、子どもが触り、操作を繰り返しても壊れにくい強度。そして安価で量産できるということも教材として大切な条件です。さらに、SDGsの観点から材料も課題の一つになっています。
二井見教授がアイデアをどんどん出して改良してくださるおかげで、ロボット教材はどんどんバージョンアップしています。
連携②ロボット組み立て体験イベントの開催
8月に「ロボット組み立て体験・キャンパス見学会」を実施
実際に子どもたちにロボットの組み立てや操作をしてもらって、楽しさを味わう体験とともに、開発中の教材「ミニマル工場」の改良につながればと、2022年8月に同大でイベント「ロボット組み立て体験・キャンパス見学会」を開催しました。
イベントでは地元の小学生のほか、ロボメイツに参加する尼崎双星高情報技術部の生徒も一緒に活動しました。
アームロボットの組み立てや動かす体験も
子どもたちは小サイズのアームロボット組み立てに挑戦し、大学生や高校生に教わりながら部品の写真と完成品を参考に作業を進めました。完成後には、試作品の中サイズアームロボットやベルトコンベヤーをつなげて稼働させる体験も。
そのほか、溶接ロボットを紹介する動画の上映やキャンパス内の見学会なども行いました。
今後もハード、ソフト両面で広がる展開
地域の発展と人材の育成に寄与するために
産業技術短期大学様と弊社が連携して活動を始める際、「地域の発展と人材の育成に寄与すること」も大きな目的の一つとしました。
ロボメイツの将来的な目標は、ロボットオペレーター、システムインテグレータ(SIer)の育成です。ロボットを導入した「ものづくり企業」の採用難が解消され、地域が活性化すること。子どもの将来なりたい職業・職種の選択肢に「ロボット分野」が入ること。
そのために、今後も子どもたちが「楽しみながら知る・つくる・動かす」ロボット体験ができるイベントを開催していきます。
2022年中には同大学でセンサーやプログラミングを活用したワークショップを予定しており、教材開発やイベント開催のほかにも、共同で行うさまざまな計画を進めています。
ご興味を持たれたロボット関連企業様や教育関係者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」を通して、地元・尼崎にある工学系短大「産業技術短期大学」の二井見博文教授と出会い、産業技術短期大学様と株式会社エアグラウンドの「産学連携」が2022年8月にスタートしました。教材開発やイベント開催をはじめ、ロボット教育に多大なるご協力をいただいており、地域の活性化や人材育成の観点からも、子どもたちが「楽しみながら知る・つくる・動かす」ロボット体験ができるよう、今後もさまざまな計画を共同で進めていきます。