ロボメイツの産学連携について産業技術短大の学生が学会で発表

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ロボメイツの産学連携について産業技術短大の学生が学会で発表

ロボメイツにアルバイトスタッフとして参加する産業技術短期大学の学生さんが、2022年12月に学会で「ロボメイツ」の産学連携によるロボット教材開発について発表しました。その学会には、日本全国から、ロボット活用の研究を重ねる大学の先生や学生、企業や研究機関の方々が集いました。どんな発表になったのでしょうか。

ロボメイツにおける産業技術短期大学との産学連携

産業技術短期大学とは

2022年8月、弊社と産業技術短期大学(College Of Industrial Technology=CIT、産技短大)との産業用ロボット人材育成事業「ロボメイツ」における産学連携体制がスタートしました。
産技短大は、産業界を担う技術者を育てるという目的のもとに1962年に開設された、全国でここだけという「工学系」短期大学です。

関連記事:産業技術短期大学と連携、ロボット教材開発やイベントを実施
ロボメイツ
産業技術短期大学

連携のきっかけはロボメイツに参加した学生

この連携のきっかけを作ってくれたのは、同大学の学生・上村さんです。
上村さんは高校時代にロボメイツ活動を体験。当時は尼崎市立尼崎双星高等学校情報技術部の部員で、弊社を通して中野製作所様のエンジニアさんにロボットの加工について相談するなど熱心でした。
卒業後は産技短大へ進学し、ロボメイツにスタッフとして加入。大学では、課外活動で「ロボットプロジェクト」に参加して機械工学科教授の二井見博文博士に師事します。

関連記事:尼崎双星高校編⑩ロボット好きな情報技術部員と地元ものづくり企業の交流

産技短大とロボット教材を開発

上村さんが縁で、ロボメイツの趣旨に共感した二井見教授が共同でロボット教材を開発してくださることになりました。市販のアームロボット教材の課題をクリアすべく、小さく安価で、体験会や小学校の授業で1人1台使えることを目指して開発を始めました。

学会でオリジナル教材「ミニマル工場」について発表

全国からロボットの研究者が集う学会

上村さんが参加した学会は「第23回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2022)」です。
公益社団法人計測自動制御学会SI(システムインテグレーション)部門が主催・企画し、2022年12月14日~16日に千葉・幕張メッセ国際会議場で開かれました。
ロボットを活用してよりよい暮らしや社会をつくるため、大学を中心に、高校、高専、大学院、国や民間の機関などで日々研究を重ねている方々が日本全国から集結。イベントのホームページの発表によると、「839件の講演発表、参加者は1300人」とあり、医学や農業、福祉など幅広い分野にわたってそれぞれ発表が行われました。

第23回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2022)

90分の発表時間で来場者へ説明

3日間の会期で発表はそのうち1日、発表スペースは90分の入れ替え制で、ポスターを掲示してその前で来場者へ説明する形式です。
展示は分野ごとに分かれ、上村さんは「地域連携を活用した科学/技術/環境/教育の新展開と事例発表」というセッション(分野)で、「ロボット教材『ミニマル工場』の開発 次世代の産業を担う人材の育成」と題して発表しました。
・ロボメイツの成り立ちやコンセプト
・産技短大との産学連携
・上村さんと二井見教授、弊社が取り組むロボット教材の開発
・小学生を対象に開いてきたイベントや授業など
これらの取り組みについて、上村さんは自身が作成したポスターを示しながら、口頭で説明を行いました。

ミニマル工場とは

ミニマルとは「最小限の」という意味で、ミニマル工場は小型のアームロボット、搬送用ロボット、ベルトコンベヤーを組み立てて動かし、机の上に「小さな工場環境」を再現するコンセプトの教材です。
ロボメイツではこの教材開発によって、1人1台で動作プログラムを行い、グループで協力して一連の協調作業を行うことができる環境の構築を目指しています。
ミニマル工場を取り入れた授業を尼崎市内の小学校向けに展開することが目標で、アームロボットの開発が進んでいます。

トークとポスター、ロボットの実機で説明に工夫

発表に際し、ロボメイツを初めて知る来場者へ向けて、わかりやすいように上村さんは説明方法を工夫しました。
まずは製造業の人材不足という課題から、人材育成を目的としたロボメイツの発足、高校生と一緒に小学校で行うロボット授業やイベント、産技短大との教材開発に至る過程を順を追って説明。
ポスターには写真を多用して、小学生向けロボット組み立てイベントの様子や開発中のロボットを紹介し、パソコンを持ち込んで活動を伝える動画を上映しました。さらに、モーター付きロボット教材の実演も行いました。

発表を終えて

来場者との交流で得た喜び

上村さんに感想を聞きました。

「楽しかったです!
来場者は大学の先生や学生が多く、90分の持ち時間でほとんど途切れることなく次から次へと説明をして、喉がからからになるくらいずっとしゃべりっぱなしでしたね。
皆さんロボメイツを初めて知る方で質問が幅広く、自分の取り組むロボット教材開発だけでなく、ロボメイツの仕組みや組織など全体についても聞かれましたが、がんばって答えました。
教材のロボットを動かす実演では、『小さい!』『本当に動くんですね』とビックリされて、さまざまな反応がありとても嬉しかったです。

また、共感してくれた方がたくさんいて、人材育成の必要性や小学生向けの授業、イベントなどの話で盛り上がりました!特に、学校に入っていって、小学校で授業をしていることがすごいと驚かれましたね。
他大学との協力による全国展開、教える側の人材確保、継続性などアドバイスもたくさんいただいたので、今後の参考にします。

自分の発表の前や空き時間は、同じ産技短大から参加した仲間がレスキューロボットコンテストの発表をする際にサポートをしたり、農業や医学など興味のある分野の発表を見に行ったりして過ごしました。中でも、東海大や岩手大の発表が面白かったです」

今後への意気込み

上村さんは、今後について以下のように話しました。
「学会の参加予定があるので、より進んだ形で発表できるよう、教材開発をがんばりたいです。
アームロボットに関しては、タッチパネルを使って動くところまで教材開発が進みメドがたってきました。
これからミニマル工場で必要な搬送用ロボットを作っていくので、次の学会では、ロボット単体から進化したミニマル工場としての形を見せて発表できると思います」。

弊社社長の畠中は、上村さんの活動について
「こうやってロボメイツに関わってくれる大学生が、学会でロボメイツを題材にして発表してくれることを嬉しく思います。
今後も活動の中で新たなアイデアをたくさん見つけてほしいですね。
また、上村さんの活動を見て、新しく参加する大学生が増えましたし、産業技術短期大学の卒業生が弊社へ入って大学院に通うという新しい流れもできました。大変素晴らしいことだと思います」と述べました。

【追記】「優秀講演賞」を受賞

審査を経て、講演会実行委員会より選出

後日、この発表が「優秀講演賞」を受賞したという嬉しいニュースが入りました!
SI2022の公式サイトによると、優秀講演賞はシステムインテグレーション部門講演会(SI2022)での全ての発表が審査対象となり、講演会実行委員会により選出されるものだそうです。

ずっと研究にロボメイツの活動に、そして準備を経て発表までがんばってきた上村さんは、喜びもひとしお。
弊社の畠中もお祝いに産技短大へかけつけました。

SI2022公式サイト 表彰についてのページ

まとめ

ロボメイツにアルバイトスタッフとして参加する産業技術短期大学の学生さんが、2022年12月に学会で「ロボメイツ」の産学連携によるロボット教材開発について発表しました。来場者へ向けてコンセプトや小学生向けの授業、イベントなどの活動、ミニマル工場について説明。大学の先生や学生からの共感や驚きの反応に手応えを感じる一方、アドバイスをいただくなど交流を深めることができました。今後はミニマル工場の完成へ向けてさらにがんばっていくそうです。

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