琴ノ浦高校編/キャリア教育に発展するアームロボット講習会

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琴ノ浦高校編/キャリア教育に発展するアームロボット講習会

産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」の一環として、2022年2月に初めて尼崎市立琴ノ浦高校で「アームロボット講習会 ロボメイツ」を実施しました。尼崎双星高校の商業学科の生徒、大学生インターンやスタッフなど、みんなで準備を進めていた小学校でのイベントが中止となる中、その内容をここで高校生用にアレンジして生かすことができました。講習会では、生徒たちはロボットオペレーターに扮し、「みかんまんじゅう」の増産というテーマに沿ってアームロボットの操作に挑戦しました。

ロボットを使った授業が実現した経緯

琴ノ浦高校とは

尼崎市立琴ノ浦高等学校(以下、琴ノ浦高校)は、市立城内高と市立尼崎工業高との再編により、2013年に開校しました。定時制で普通科のみがあり、2年次から普通系列、商業系列、工業機械系列、工業電気系列に分かれます。
私たちは2022年2月、産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」の一環として、同校で「アームロボット講習会」を実施しました。この講習を受けたのは、工業機械系列2年生15人です。

琴ノ浦高校

アームロボット講習会を開いたきっかけ

琴ノ浦高校で講習会が実現したきっかけは、2021年の「アマリンクス(AmaLinks)」イベントです。アマリンクスとは、公益財団法人尼崎地域産業活性化機構の事業で、新型コロナ禍におけるビジネスや就労のマッチングを目的にしたプロジェクトです。公式Webサイトでは、企業見学風レポートの動画や写真入り記事で、尼崎市にある企業・法人の事業や魅力を伝えます。
2021年2月、このうち4つの企業紹介動画を上映するなど就労をテーマにしたイベントが琴ノ浦高校で開かれました。
その際にお世話になった丸本利幸先生へ「アームロボット講習会」を開くことができないかご相談したところ、ご快諾いただき実現しました。

関連記事:琴ノ浦高校編/新型コロナ禍でも実現した、地元企業を紹介するワークショップ

産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」

私たちは、教育事業の一つとして進める「ロボメイツ」のスタートに際し、高校生にロボットについて知ってほしいと操作体験イベントを企画、実施しました。高校の授業では、琴ノ浦高校は尼崎双星高校に次いで2校目となります。
生徒が参加した「ロボメイツ」とは、新たな労働力として注目されている「ロボット」を導入する際に必要な人材「ロボットオペレーター」「ロボットシステムインテグレータ」を育成する教育プログラムを含む事業です。

産業用ロボットオペレーター育成事業
ロボメイツ

アームロボットを使った作業を体験

時代はロボット、プログラミング

近年のロボット開発は目覚ましく、製造業やサービス業など幅広い業種で導入が進んでいます。私たちもその流れを感じており、中でもものづくり企業の現場から「ロボットを動かすのに必要なオペレーターが足りない。今いるベテランに新しく覚えてもらうより、若い人を育てたい」との声を聞く機会が増えました。産業用ロボットを動かすプログラミングなどの作業を行う「ロボットオペレーター」の需要は高まる一方です。

産業用ロボット特別教育インストラクターが指導

産業用ロボット作業にあたっては、誰もが従事できるわけではなく、従事者には労働安全衛生法に基づく「特別教育」の受講が義務付けられています。弊社社長の畠中は特別教育を受講・修了し、さらに「産業用ロボット特別教育インストラクター」の有資格者であるため、指導の下で高校生たちは産業用アームロボット操作体験をすることができます。

「産業用ロボット特別教育インストラクター」とは
産業用ロボットの特別教育を担当するインストラクターの養成を目的として、特別民間法人中央労働災害防止協会(中災防)が実施している資格制度です。これを取得すると特別教育を行うことができます。産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」の教育プログラムは、「産業用ロボット特別教育インストラクター」有資格者が監修を行っております。

企業のロボット活用現場を紹介する動画教材

企業でロボットはどのように活用されているのでしょうか。今回の授業では、日頃YouTube(ユーチューブ)などで動画を見慣れた高校生たちに伝わりやすいよう、ロボットが溶接する場面や、人とロボットが協働で作業する様子などの動画を上映しました。

「みかんまんじゅう」の箱詰め作業を想定

この授業は、尼崎双星高校商業学科の3年生や大学生インターンたちと共同開発した「子ども向け産業用ロボット教育プログラム」をもとに、琴ノ浦高校2年生へ向けた実践的な「ロボットオペレーターの講習会」として内容を考えたものです。産業用ロボットを模した小型のアームロボットを教材とし、生徒たちはつかむ、運ぶといった動きをプログラミングして操作する体験をしました。
「『琴ノ浦まんじゅう工房』の『みかんまんじゅう』が人気となり、手作業では注文に対応できないため、自動で箱詰め作業などを行うアームロボットを導入した」というストーリーで、「どうすれば生産性が上がるか」などを考慮した工場の生産ラインをつくり、作業を進めました。

高校生や先生の感想

参加した生徒からは「実際にロボットが動くと楽しい」「難しい」「操作が面白かった。2人でするのがいい」「ロボットが欲しくなった」「また参加したい」などさまざまな声が上がりました。
同校で工業機械系列を担当する丸本利幸先生によると、教育現場には「学校にロボットの実機があったとしても1台の場合が多く、実習で生徒全員が使うのは難しい。いきなり実機を使うのは故障や破損などのリスクも高い」という事情があるそうです。
私たちが教材として持参した、産業用ロボットを模した小型アームロボットと授業内容については、「動きは最小限だけれど、産業用ロボットと指示の概念が一緒でデザインも近い。遊び感覚というより十分に『講習会』と言える内容。ロボットに触れるきっかけとしてとても有効だと思う」との感想をお聞かせくださいました。見学した先生方からも「本当に楽しそうだった」「自分の担当授業がなければもっと見ていたかった」とのお声があったそうです。

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IT環境により授業内容をアレンジ可能

パソコンの台数など学校のIT環境へ合わせた内容に

プログラミングなどのIT教育については、学校や先生により、導入の程度が大きく異なると言われます。琴ノ浦高校も、前に授業を行った尼崎双星高校も、パソコンの台数やOS、インターネット回線といったIT関連をはじめ、ロボットやパソコンを置く机、電源ほか教室の環境、授業時間数や生徒数などが異なります。
弊社では、ロボットやプログラミングの体験授業の際は、こういった諸条件やIT環境についても事前にじっくりヒアリング。学校に合わせた授業計画や準備をします。

「プログラミングをやってみたい」声に応える

「学校に備えられるロボット実機の台数」の話にもあるように、高校生へのIT教育、ロボット教育は環境による部分が大きいといいます。その中で、生徒が「プログラミングをやってみたい」「ロボットに興味がある」「IT企業に就職したい」と関心を示した時に学校側が応えられるよう、私たちはお手伝いをしたいと考えます。
弊社は、IT企業やロボットを導入した企業とのつながりを徐々に増やし、Webサイト制作やロボットオペレーター教育事業「ロボメイツ」でIT技術を日々磨いております。
「ITの知識や技術に不安があり、企業とのパイプを持っていないので、授業や進路指導が難しい」とお悩みの先生は、一度ご相談ください。

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大学生インターンも授業へ参加

高校と企業の取り組みに大学生が加わる相乗効果

高校生と企業または大学生と企業の二者による産学協同はよく見られますが、私たちの提供する活動では「高校生と企業」に「大学生」がサポートで加わります。
今回も大学生が活躍しており、「まんじゅう工房」のアイデアを出したり、講習会では各グループに教え、作業を見ながら高校生たちがいつでも質問できるようにアシスタントを務めたりしてくれました。
大学生の参加は、高校生にとっては年齢が近く話しやすい大学生に質問できて、進路面で身近なロールモデルを見られるメリットがあります。大学生にとってはインターンシップやアルバイトの経験になります。私たちは大学との連携も年々深めており、さまざまな大学から学生が参加しています。

大学生・高校生インターンシップコーディネート事業
ワカモノ―ト

まとめ

産業用ロボットオペレーター育成事業「ロボメイツ」の一環として、2022年2月に初めて尼崎市立琴ノ浦高校で「アームロボット講習会 ロボメイツ」を実施しました。尼崎双星高校の商業学科の3年生が考えた内容をもとに実践的にアレンジ。講習会で琴ノ浦高校の2年生たちはロボットオペレーターに扮し、「みかんまんじゅう」の増産というテーマに沿ってアームロボットの操作に挑戦しました。
生徒からは「面白い」「難しい」などさまざまな声を、先生からは小型アームロボットでの授業に「ロボットに触れるきっかけとして有効だと思う」とのご感想をいただきました。

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